読書旅vol.20|石井光太『神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く』

読書旅vol.20|石井光太『神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く』

駐留米軍の撤退を受けてアフガニスタンの政権が崩壊し、タリバンが瞬く間に全権を掌握した今年8月。TVで首都カーブルの様子を見たり、タリバンの女性蔑視思想にまつわる解説を聞いたりする日々の中、ふと『神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く』(2007年/新潮社)のことを思い出しました。久々に読み返してみても、やっぱりドえらい1冊です。 ノンフィクション作家・石井光太さんの本は、2010年作『レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち』然り、2011年作『遺体――震災、津波の果てに』然り、自分の頭で考えるきっかけを与えてくれるものばかり。正直ページをめくるのがしんどくなる時も多々ありつつ、安逸をむさ…